色々な世代のゲーマーがいた
11/3,4と開催されたNintendo Live2018 in幕張。筆者は3日の模様を一部ネット生配信で観戦し、4日は実際に会場へ足を運んだ。コンテンツは盛沢山で、時間はどれだけあっても足りない。人によって目的は違うだろうが、目玉はスプラ甲子園とスマブラの体験だっただろう。
スプラ甲子園の関東大会優勝者は人気実力ともにトップクラス「GGboyZ」で会場は大盛り上がり。プレイの解説は有識者に譲るとして、前後のマイクパフォーマンスも王者にふさわしいものった。
一方で驚いたのは観戦者には様々なタイプな若者がいたということ。ステレオタイプで申し訳ないが所謂「ゲームオタク」はスプラ甲子園の観戦者には意外と少なく、20代の普通の若者たちがボリュームゾーンで、女性も多く見受けられた。
スプラの洗練されたデザイン、それに見る専というジャンルもありスプラは多くの女性を獲得したように思える。
そしてもちろんスマブラ体験会にも参加してきた。筆者はスマブラはDX以来やっていないので、プレイレビューは有識者に譲りたい。
さてこちらは年齢層が幅広く64を体験していないであろう男子中高生からファミコン世代の方々まで、主に男性を中心に人だかりを作っていた。今思えばスマブラに出ているキャラクターは総じて歴史が古い。
スマブラはキャラゲーの要素が強いが今の小学生から見ればほぼ未知のキャラクターで「マリオの格ゲー」としか映らないかもしれないという不安を覚えた。その証拠にスマブラ体験会に参加している小学生は思いのほか少なかった。
小学生ゲーマーたちの雄姿
さて概要はこれくらいにして、今回はゲームではなく小学生の子供たちに焦点を当ててNintendo Live2018をレポートしたい思い筆を取った次第だ。
Nintendo Live2018ではスマブラの小学生大会と、マリテニの小学生大会が開催され筆者もその一部を観戦して感じたのは、彼らが次代のプロゲーマーであり、e-spotsを牽引していくのだということだ。
彼らはいわゆるe-spotsネイティブの第一世代と言っていい。プロゲーマーという職業があることを知っており、またそれらにYoutube等を通していつでもアクセスできる初めての世代だ。
またオンラインで見ず知らずの人々と対戦が可能となり、コミュニケーションの取り方も変わってきた。これらを踏まえて特に印象の強かった2人の小学生選手と、1人のポケモントレーナーを紹介したい。
プロの立ち振る舞い
まず個人的に目に留まったのはスマブラ小学生大会に出場していたリーフ選手。小学校5,6年生くらいだろうか、その立ち振る舞いはプロを意識したものとしか思えたなかった。
まずリーフ選手に限らず、大会に出場するという行動力と勇気自体が筆者からすれば十分すごい。筆者が子供だった頃は人前に出るのが恥ずかしく「1+1がわかる人手上げて」と先生に挙手を求められても断固拒否していた。つまり出場した選手すべてに称賛を送りたいというのが大前提だ。
その上で小学生選手がいざ壇上でマイクを向けられると「・・・・頑張ります」「・・・・嬉しかったです」と小さな声でつぶやくのが精いっぱい。いや筆者からすればそれで十分だ。よく知らない大人たちの前で声を振り絞ったと思う。
だがリーフ選手は違った。笑顔で堂々と前を向き目は全く泳いでいない。意気込みを聞かれると「最後はきりふだを使って勝ちたいですね」とプロ顔負けのマイクパフォーマンスを発揮。これは明らかに人に見られていることを意識したコメントだ。何を言えば盛り上がるかを心得ている。
また予選勝利後の感想を聞かれた際は「このまま優勝してこの大会に出られなかった弟に自慢したいです」とスラスラと回答し返答のスピードも非常に速い。はっきり言って大人でもここまで壇上でスラスラと返答できる人は少ない。実際スプラ甲子園でもリーフ選手以上にはきはきと内容のあるコメント返せていたのは一部だ。
残念なことにリーフ選手は決勝リーグ1回戦で敗退してしまったが、小学生ながらにしてプロとしての立ち振る舞いを十分に身に着けたのが印象的だった。彼がプロを目指しているかは全くわからないが、こんな人だったら将来プロリーグを盛り上げられるなぁと一人感心していた。
ゲームを介したコミュニケーション
もう一つ心に残った選手を紹介したい。それはマリテニ小学生部門の第一回戦だったのだが、まずこの小さな紳士の選手名を失念してしまったことをお詫び申し上げたい。
さて予選1回戦とあって実力の差が大きいことがままある。小学生部門と言えど小学1年生と6年生とでは全く実力が違うのは想像の通りで、筆者が観戦した試合も小1くらいの女の子対小6くらいの男の子だった。
大きなコントローラを握り椅子にちょこんと座った少女の足は床に届かない。注目の第1球、少女は何とか男の子のサーブをレシーブしたものの、男の子は少女操るロゼッタのいないほうへと返球する。ロゼッタは一歩も動かずその場でパワーを溜めたまま失点した。
そして第2球目も全く同じで、どうやら少女は移動してから打つということをまだ知らなかったようだ。観戦者は少ないものの実況・解説の方々含め「(ああ、これは気まずいことになった)」と悟ったような雰囲気になる。筆者も気まずいので場所を移そうかなと考えていた。
だが小さな紳士は察していた。第3球目からはコート隅にいるロゼッタのいる方へとわざわざ打ち返し、ラリーを続けて見せたのである。閑散とした会場ながらその会場がどれほど暖かい雰囲気になったかは想像にたやすいだろう。最終的にもちろん紳士が勝利したが、彼の最高に気まずそうな苦笑いは最高に素敵だった。
仮にこれがオンラインの大会だったらどうだろう。相手が見えず正体もわからなければ、わざわざ手加減することもなかったのではなかろうか。実際に顔を付け合わせたからこそ、相手の気持ちを汲むことができたのではなかろうか。
その後筆者はこの小さな紳士の戦績を終えなかったものの、どうやら優勝は逃してしまったらしい。だが少女と紳士の試合は間違いなく今大会のベストゲームの一つであったことは間違いないだろう。
ゲーム画面に吸い込まれた少年
最後はレッツゴーピカチュウの体験会に参加していた小学2,3年生の少年だ。レッツゴーピカチュウはモンスターボール型のコントローラを使い、ポケモンをどんどんと捕まえていくポケモンGOと連携したゲームだ。
各ブースにゲームのやり方を優しく案内してくれるスタッフがいて、その少年も姉さんから「ボールを画面に向かってエイって振るとボールが飛んで捕まえられるよ」と説明を受けていた。が、少年はポッポが映る画面を直視したまま微動だにしない。
その後お姉さんに「こうやってエイって振るんだよ」と2度催促され、ようやく我に返ったかのように少年は動き出した。彼が直立不動だった10秒間はいったい何を考え何を感じていたのだろうか。
少なくともぼーっとしていたようには見えない。目を見開きすさまじい集中力を画面にぶつけていた。筆者はモンスターボールを握った彼は一度画面の中に入ってしまったのではないかと想像する。だが子供の集中力は時の大人の想像を超える。彼はあの10秒間に一体何を感じ、何を思っていたのだろうか。
何が言いたいかわからなくなってきた
色々な面で感動させられ最終的に何を言いたいか訳がわからなくなってきたが、改めてゲームの様々な可能性や側面があることを小学生ゲーマーを見て確認ができた。
プロとしての立ち振る舞い、コミュニケーションツールとしてのゲーム、そして何よりゲームを楽しむということ。
・・・・いや、違う。もしかしたら純粋な子供たちを利用して「だからリスキルなんてやめようね」って言いたかっただけなのかもしれない。
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